トーキョーI

都市計画307号
21世紀初頭のトーキョー Ⅰ
―エリア化する都市開発と暮らし

 2012年5月にオープンした東京スカイツリーの展望台からは,東京を鳥瞰図のように見ることができる。55年前 の東京タワーの展望台からも,東京を鳥瞰し平面として見ることができたのだろう。しかし,現在は,超高層の先駆け であった霞ヶ関ビルは乱立する高層ビルの谷間に埋もれ,どれがどのビルだかもはや分からない。かつて,東京を鳥 瞰図のように見ることができた東京タワーの展望台は,ゴジラの視点で都心部を3次元で見る視点場となった。

 東京の超高層ビル(60m以上)は昭和40年代から累積1000棟を越えた。そうした超高層ビルの中には,すでに 解体され新たな開発計画も動き始めている。

  既存オフィスビルの空室率が危惧された2003年問題が浮上したように,21世紀初頭(2000年~2014年)の “トーキョー”は超高層ビルが乱立し,今もなお建設計画が動いている。社会・経済のグローバル化の影響も大きな 要因と推察されるが,20世紀末から始まった産業革命に匹敵する情報通信革命に対応するオフィス需要や,国内の 産業構造の変化も要因と思われる。

 公共事業や都市開発に沸いた東京オリンピックから50年。2020年のオリンピック開催も決定した。そこで,世界 都市であり,日本の首都であり,そして一地方としての“トーキョー”の21世紀初頭の都市開発について考える機会と したい。本号では,特にエリア化する「都市開発」と「暮らし」に光をあて編集を行う。

(担当編集委員:岡田 雅代)

特集目次

鳥の目からみたトーキョー

都心3 区の超高層建築群
群化する超高層の時代-超高層建築の動向から見る21世紀初頭の東京都心
 出口 敦・宋 俊煥・吉田 宗人・岡田 雅代
鳥の目から見た江戸の都市空間の仕組みを残す21世紀初頭のトーキョー
 岡本 哲志
ゴジラの目で見る東京 模型で読み解く2027年の渋谷駅と周辺
 田村 圭介
群としての東京の都市開発とエリアマネジメント
 宋 俊煥
インセンティブによるオープンスペースの課題と展望
-21世紀初頭の東京都心部における開発事業と20 世紀後半のニューヨーク市における状況を参考として
 杉浦 榮

人の目からみたトーキョー

[インタビュー]見えがくれする都市「東京」の都市デザインと課題 建築家・都市計画家は都市にどう関われるか
 槇 文彦
谷底からみたトーキョー-東京の凸凹地形と都市生成の考察
 皆川 典久
文化を受け継ぐ低層の街並みとタワーマンション群 佃島と大川端リバーシティとの住民間交流
 志村 秀明
都市開発の足下:六本木住民・商店街による取組
 原田 隆子
都市・東京をリノベーション 部分の変化がネットワークし全体化する柔らかな都市計画は可能か?
 馬場 正尊
無常:復元課程としての東京
 ピーター・アームストロング

プロジェクトノート

大手町・丸の内・有楽町地区における歴史的建築物の保存と復元
-土地の記憶を留めながら未来に繋ぐまちづくり
 米田 享
泉ガーデン×六本木3 丁目東地区再開発事業-街をつなぐ、時をつなぐ
 渡部 邦弥
神田淡路町WATERRAS(ワテラス)-地域との共生をめざして
 松本 久美
編集後記
 岡田 雅代