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345号|都市像再考―計画における目標像の意義

都市計画2015

 都市の将来目標としての都市像の現代的な意義は何であろうか? 現代日本では,この20年余りの間に,都市における公共性の概念が大きく揺らいできた。まちづくり活動の発展や,民間事業者の成長,NPOや社会的企業の登場に伴い,都市像を構想する主体は多様化した。さらに近年になり,都市計画の課題そのものにも大きな変化があり(気候変動や高齢社会,格差拡大,外国人の増加,スマート化への対応など),都市計画の関係領域は複雑に拡大し,関係主体もますます多様化しつつある。

 このように都市の公共性の転換と計画パラダイムそのものの転換が並進しつつある現代日本においては,様々な主体(市民,行政各部門,民間開発事業者,先端企業...)が考える都市像が,多様に混在している状況が生まれつつある。そして,それらを調整して共有されるべき目標都市像は,極めて描きにくい状況に置かれていると言えるかもしれない。そうした多様な都市像を調整し,共有するための都市計画の制度や方法について探求することが求められているとも言えるだろうか?

 本特集は,多様な主体が描く様々な都市像が,どのような立場や考え方によって描出され,また現代都市において制度内外においてどのような影響をもたらしているのか,その様相を理解し,共有することにより,現代日本都市における目標都市像の探求に関わる諸種の論点を明らかにし,認識を深めること(対応すべき課題について検討すること)を主旨とした。

 都市像に深く関係する過去の特集としては,「2020年の都市を展望する(216号:1998年)」や「都市像のオルタナティブ(265号:2007年)」があり,近年では概ね10年に一度のペースで都市像が議論されている。本特集もそれらに続くものとして,都市や都市計画のあり方をめぐる根本的な議論を喚起させるきっかけとなれば幸いである。

(編集担当:寺田 徹・村山 顕人・小泉 秀樹)

目次

地図の中の風景

都市の風景と全体像を地図で描く試行錯誤
 今和泉 隆行


支部トピックス


特集:都市像再考―計画における目標像の意義

【都市像の意義】

[インタビュー]まちづくりプロセスが創出する重層的な都市像
 佐藤 滋

[インタビュー]価値観の多様性にもとづく都市像の再考
 森 千香子

未来の都市像の実現に向けて─モビリティの計測と制御
 藤原 章正

【多様な都市像の実態】

政策の都市像

都市政策における都市像としての「コンパクト+ネットワーク」の意味
 海道 清信

東京都心部の都市像の変遷にみる都市計画制度の論点
 明石 達生

景観保全の議論から生まれた将来都市像─「保全と開発の調和」を目指した金沢市の取組
 木谷 弘司

私企業の都市像

六本木・虎ノ門地区のまちづくり─虎ノ門・麻布台プロジェクト~Modern Urban Village~
 村田 佳之

山万が目指した都市像とこれから─「住み続けられる街づくり」ユーカリが丘での飽くなき挑戦
 林 新二郎

小林一三の描いた都市像と阪急のまちづくり─鉄道と都市開発のシナジーモデル
 上村 正美

市民の都市像

市民が描く都市像をプランナーはどう捉え,どう活かすのか
 饗庭 伸

「農のあるまち」における都市像の発見
 寺田 徹

【新たな都市像の模索】

スマートシティと都市像─postコロナの都市も視野に入れながら
 小泉 秀樹

持続性とレジリエンシーから描く都市像─どのように都市像を描くべきか
 村山 顕人

タクティカル・アーバニズムの先にある都市像
 三浦 詩乃

自然と接続するまちの都市像─シンガポールのシティ・イン・ネイチャー
 遠藤 賢也

これからの神戸の都市像─都心・三宮の再整備に着目して
 栗山 尚子

多文化共生社会の都市像─移民受け入れ大国となりつつある日本の将来にむけて
 藤井 さやか

現実と仮想のあいだの都市像─地図を介した空間との対話
 古橋 大地

【編集後記】

 寺田 徹


まちづくりマインドを育む

〈まちづくりのマインド〉を考える
 福川 裕一

地域の風景を守り育てる人材育成のスパイラル
 永村 景子


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