編集委員会

Committee

学会誌特別号のご案内

「特別号|これからの都市計画」の刊行にあたって

都市計画2015 本会は1951年の設立以来、我が国の都市化の進展や、都市計画に対する各方面からの要請の高まりに伴い、教育・研究活動や人材育成などの場として発展して参りました。これまでも、「まちづくり」「環境共生」「コンパクトシティ」といった都市計画と共に語られるキーワードの変遷に見られるように、国および地方自治体の政策や地域社会における「都市計画」の位置づけ、役割は変化してきましたが、現在は、人口減少や高齢化の進展などの社会動態の変化と縮小社会・成熟社会に向けたパラダイム・シフトを背景に、本会の役割にもこれまでにない変化が求められています。

こうした社会動態の変化に加え、東日本大震災に伴う災害からの復興、防災や減災への対応、環境問題の深刻化、国際化の進展等に伴い、都市計画に求められる役割や方法論の転換も、都市計画の関連分野の様々な専門家が集う学会として取り組むべき課題となっています。都市計画が新たな挑戦を求められ、本会の意義が真に問われている状況にある一方、若い方々やこれまで都市計画に馴染みがない方々に対して「都市計画」への関心をより高めていくための努力や、本会の会員として学会活動に参加して頂くための幅広い働きかけの必要も感じております。

そこでこの度、本会では、これからの我が国の都市計画のあり方を問い直し、また学会活動や都市計画・都市開発分野の広報などに広く活用するための特別号を学会誌の発行月をこれまでの偶数月から奇数月に変更するタイミングで刊行することと致しました。

近年の代表的なプロジェクトの紹介や、関連分野で活躍されている方々との対談を通して、若い世代やこれまで都市計画に馴染みが薄かった方々にも分かり易く都市計画のテーマや魅力を伝えることを目指して企画しました。今直面している課題に加え、これからの都市計画を知り、学ぶ上で幅広く、ご活用頂ければ幸いです。

編集委員長 出口 敦

目次

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  • 特別号の刊行にあたって/出口 敦

PROSPECT

目指すべき都市計画の方向/中井 検裕

今後30 年間の人口と社会を考える/藤井 多希子

都市農村計画と市民自治へ向けて/後藤 春彦

次の時代のデザインカルチャーへ/宮城 俊作

アーバンデザインの可能性/佐々木 宏幸

異なる時間を積層する都市/五十嵐 太郎

QOL を高める都市づくり/林 良嗣

地域の「いとなみ」を守る/牧 紀男

DISCUSSING TOMORROW

超高齢化社会におけるモビリティと都市計画
  中村 文彦× 森本 章倫× 谷口 綾子× 大藪 善久

小さな居場所と大きな風景をつなぐプランニング
  小浦 久子× 怱那 裕樹× 福岡 孝則(聞き手:武田 重昭)

地域とのコミュニケーションから生み出すソーシャル・アーバンデザイン
  藤村 龍至× 菅野 圭祐× 本間 百合× 内田奈芳美× 出口 敦

都市間競争時代の都市政策
  浅見 泰司× 栗田 卓也× 中川 雅之× 八代 尚宏

FRONTIERS

まちづくりの持続性を高めるプロセスコーディネート―宮崎県日南市中心市街地活性化事業/高尾 忠志

県都で進んだ新世紀の顔づくり―大分駅周辺で展開する都市整備/佐藤 誠治

公・民・学連携によるアーバンデザインの展開―松山アーバンデザインセンターの取り組み/片岡 由香

二葉の里地区のまちづくり―広島の陸の玄関にふさわしいまちを目指して/高野 正徳

車から人へ転換する姫路駅前空間―市民参画による公共スペースのデザイン/小林 正美

水都大阪―水都再生という壮大な社会実験と新たな都市計画論への展望/嘉名 光市

「ミライのフツー」を目指す環境先進都市とよた―クルマのまちから環境先進都市へ/豊田市

つかさのまち夢プロジェクト―新しい岐阜を創りだす「市民恊働社会」の拠点形成/岐阜市

東日本大震災からの復興プロジェクト―「都市計画・まちづくり」の神髄が試される/姥浦 道生

「空間」を「場所」に変えるまち育て―黒石・旧松の湯活用プロジェクト/北原 啓司

札幌駅前通地下歩行空間整備事業―都市再生に向けた新たな道路空間の活用/小仲 秀和

美味しい農産物のファンを増やす洗練された直売施設―美瑛選果/麻生 美希・西山 徳明

NEXT GENERATION

私と都市計画のこれまでの関わり/榎本 拓真

シンガポールを拠点とした都市開発/守山 健史

人が関わり続ける現場からランドスケープを学ぶ/松浦 由布子

地域モビリティと「Co 交通」 /村上 早紀子

研究を加速させるプロセス/児玉 千絵

研究× 協働型 地方都市まちづくり/小林 剛士

研究紹介

都市のビジュアライゼーション 新たな時代を切り開く合意形成ツール
  日本都市計画学会九州支部 都市構造PDCA 研究分科会

都市環境の改善整備による低炭素ライフスタイル変革とその評価の試み
  低炭素ライフスタイルイノベーション研究会

情報通信技術を利用した新たな交通サービス提供への試み
  NU TREND(Nagoya University TRansport and ENvironment Dynamics)

原発被災地福島県浪江町における広域分散避難からのコミュニティ復興の取り組み
  早稲田大学都市・地域研究所+ 佐藤滋研究室

旬なプロジェクト

幸せや歓びを感じることができる「まちづくり」
 ―竹中工務店の都市再生の取組み( 新宿東宝ビル + あべのハルカス/てんしば )
  株式会社竹中工務店

東京・京橋におけるシミズのまちづくり歴史を継いで地域とつながる都市の再生
  清水建設株式会社

大手町ホトリア街区「大手門タワー・JXビル」民間初の取組となる皇居外苑濠水の浄化施設を導入
  三菱地所株式会社

官民連携による都市再生のモデル事業「虎ノ門ヒルズ」
 ―エリアの活性化に貢献するとともに、国際新都心形成を加速
  森ビル株式会社

Park City Osaki パークシティ大崎緑豊かで潤いのある風景の創造
  三井不動産株式会社

品川シーズンテラス光、風、水、緑と人の営みがリンクする、持続可能なまちづくりを実現
  大成建設株式会社

(仮称)六本木三丁目東地区プロジェクト泉ガーデンと合わせて、敷地40,000 ㎡を誇る、ひとつの新しい街。
 /東京日本橋タワー日本橋駅直結の超高層ランドマークタワー誕生。
  住友不動産株式会社

明石駅前南地区第一種市街地再開発事業駅前のにぎわいを再生する再開発プロジェクト
  株式会社大林組

スナヤン・スクエアインドネシアの首都ジャカルタの経済・文化を活気づける都心型大規模複合開発
  鹿島建設株式会社

  • 編集後記/内田 奈芳美

お詫びと訂正

特別号の内容に誤植がありました。
読者ならびに関係者の皆様にお詫びを申し上げるとともに以下のように訂正致します。

【訂正箇所】5ページ タイトル

 (誤)特号の刊行にあたって
 (正)特号の刊行にあたって
【訂正箇所】39ページ 3段目右から12行目および右下図のタイトル
 (誤)せせらぎの並木 テニオア
 (正)せせらぎの並木 テニテオ
【訂正箇所】44ページ 著者の役職
 (誤)明治大学 教授
 (正)明治大学 准教授