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321号|都市空間の暫定利用を考える

都市計画2015 

 近年,「公共空間の使いこなし」という文脈で,都市空間の暫定利用に注目が集まりつつある。例えば,建築雑誌2015年10月号(vol.130)「特集:住むためのパブリックスペース」や,本誌2015年10月号(vol.317)「特集:使われる公共空間」などはまさにそのことをテーマとしたものであるし,小さく,短期間ながらも巧みなアクションにより,公共空間を変化させるという意味で,新たな都市論としても認識されつつある(Lydon and Garcia, 2015「Tactical Urbanism」)。

 こうした取り組みが新しく,魅力的に感じられるのは,暫定利用そのものがもつ性質をうまく生かしているためと考えれば,これからの都市計画では,固定,永続,恒久といった概念ばかりでなく,「暫定」についても真剣に考えるべきであろう。こうした発想から,本特集は,「暫定利用」そのものに着目し,「暫定」(という性質)のもつ多様な可能性を議論するものとして企画した。暫定利用に対してより多くの切り口を提示するため,公共空間の利用に限らず,幅広い視点から論考と事例を掲載した。

 その一例として,「都市の変化」へ暫定利用が果たす役割という視点が挙げられる。都市計画は,都市の将来あるべき姿に向かって長期的に誘導を行う行為であるから,計画決定から実現までのあいだに,本来あるべき姿と異なる暫定的な状態が発生することがままある。また近年では,人口減少・都市の縮退により,本来あるべき利用が維持できず,暫定的に他の利用が行われる事例も増えつつある。暫定利用は,「都市の変化」という命題に対して重要な示唆を与えうるように思えるが,正面から議論されてこなかった。

 本特集は,こうした例に示されるような盲点をつくものであり,暫定利用の都市における役割や可能性を,荒削りながらもはじめて議論しようとする試論である。

(担当編集委員:寺田 徹,野村 亘)

目次

地図の中の風景

時代とともに移りゆく『加賀のまち』
 前川 裕介

会長就任あいさつ|横張 真

支部トピックス


特集:都市空間の暫定利用を考える

[解題]都市空間の暫定利用を考える
 寺田 徹・野村 亘

【第1部:総論 都市における暫定利用とは】

都市における暫定利用-公共空間を中心に
 明石 達生

都市の縮退と土地の暫定利用
 横張 真

歴史の中の暫定利用:日本の伝統的都市の事例から
 藤川 昌樹

海外における暫定利用の展開
使う,試す,楽しむ,稼ぐ~自由自在の都市空間活用戦略
 阪井 暖子

【第2部:事例集 暫定利用を考える32 の仕組み・取り組み】

【第3部:分野別論考 暫定利用の可能性と課題】

土地利用計画制度と暫定的土地利用
 浅野 純一郎

災害復興計画における暫定的土地利用の必要性
 浅野 聡

中心市街地再生からみる暫定利用
-福井市中心市街地の駐車場活用広場「新栄テラス」を事例として
 原田 陽子

駐車場計画と都市空間の暫定利用
-暫定的な駐車場の効用,課題,対策を考える
 菊池 雅彦

暫定利用の権利と価格~不動産価値を高める暫定利用~
 中城 康彦

公共建築からみた暫定利用
-東京都区部における学校跡地活用の考察
 椿 幹夫

編集後記
 野村 亘・寺田 徹
 


連載|立地適正化のプラン・メイキング 

箕面市の立地適正化計画について
 上岡 孝之

札幌市における立地適正化計画の策定
 稲垣 幸直


書籍探訪・新刊レビュー|情報委員会


大会へ行こう

東洋大学白山キャンパスへようこそ
 岡村 敏之


都市計画トピックス

ejob 事業にご理解とご協力を!
 久保田 尚


報告|第5 回定時総会(社員総会)


学会ニュース

お詫びと訂正

321号の掲載内容に誤植がありました。

著者ならびに読者者、関係者の皆様にお詫びを申し上げるとともに以下のように訂正致します。

【訂正箇所】39頁、51頁

 (誤)福岡
 (正)福岡

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