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360号|ニューノーマル時代の子育て環境に対応したまちづくり

都市計画2015 日本の総人口は2008 年をピークに減少に転じており,2050 年には1 億人を下回ると想定されている。出生数や出生率も右肩下がりとなっており,少子化は日本の大きな課題となっている。一方,近年の都市計画においては,コンパクトシティ,さらには昨今ではコンパクトプラスネットワークによるまちづくりが進められ,スクラップアンドビルドによる都市の拡散から循環型都市への移行といった環境対策が求められていた。このまちづくりは環境への配慮だけではなく,職住近接による働き盛り世代への仕事と子育ての両立を促進した。子育ての場づくりも進められ,こども基本法が 2022 年 6 月に成立し,こども家庭庁設置法が 2021年12 月に閣議決定したことを例に,家族の枠組みを超えた育児の実践が国単位で進められている。

 子育て環境に対する制度整備が進められている最中,COVID-19 が更なる環境変化をもたらした。リモートワークを主とした在宅による就業の中で,就業と子育てが場所的にも時間的にも不可分な領域となりつつあり,ニューノーマルに対応した子育て環境の整備が必須であると考える。特に「密を避ける」という観点を契機として,屋外空間を積極的に活用しようとする機運が高まり,こどもの遊び場としての屋外空間のあり方に対する注目が高まっている。さらには,地方創生や移住促進につながる子育て施策や取組が進められており,恵まれた自然環境を活用あるいはアピールした取組が多く見られる。今回の特集では,子育て環境のあり方を多様な側面から考察することで,まちづくりやコミュニティ醸成の一助とすることを目的とする。

(編集担当:佐藤 雄紀)

目次

地図の中の風景

「お散歩マップ発」子どもがみえるまちへ
 松橋 圭子


支部トピックス


ニューノーマル時代の子育て環境に対応したまちづくり

【子どもおよび子育て環境の変化】

世界の子どもにやさしいまちづくりにおける子育て環境整備
 木下 勇

まちを開いてまちで育てる─「まち保育」の視座とその先の未来
 三輪 律江

子ども子育て施策と都市計画施策は連携できるか?
 後藤 智香子

日本の子育て環境を転換する国や自治体の役割─こどもまんなか社会に向けた官民連携・協働
 奥山 千鶴子

【子どもや子育て環境の変化に応じた取組】

こどもや子育て家族のための環境づくり「子育てしながら街に出よう!」
 松田 妙子

居場所づくりから考える地域づくり
 湯浅 誠

子どもの居場所と都市空間─Well-being な成育環境デザインに向けて
 萩原 建次郎

子ども・子育て支援施策の現状と課題─川崎市における取組の変遷と今後
 阿部 浩二

『大丸有エリアまち育プロジェクト』の目指すもの─多様な視点を発掘し,エリアで育む人とまち
 北村 真志・中条 瑛子

子どもたちの世界を拡げ,教育の地域間格差を解消する仕組み作り
 嶋本 勇介

【ニューノーマル時代における屋外空間の利活用】

生活道路を生活空間に取り戻す─ボンエルフ制度の導入と生活道路マスタープランの策定
 薬袋 奈美子

人口減の克服にコミットするパークマネジメントとその可能性─子育て層を惹きつけ,地域ビジネスを孵化させ,地方で活躍したいと意識変化を引き起こす
 金岡 省吾

身近にある自然資源の恵みをいかして
 丹羽 由佳理

田畑のある子育て環境を次世代へ─認定こども園「国立富士見台団地 風の子」
 小野 淳

移動式あそび場がつくる遊び場と子縁コミュニティ─あそびあふれる社会をつくる!移動式の可能性はムゲンだぜ!
 星野 諭

【働き方の変化に対応した子育て環境】

「親になる」プロセスを支える子育ての環境づくり─ソーシャル・エモーショナル・ラーニングのビジョンの共有
 渡辺 弥生

リモートワークと子育て
 瀬田 史彦

【移住促進を視野に入れた子育て環境】

街でマーケティングを活用する─分かったつもりにならない,女性視点,子育て視点
 河尻 和佳子

子育て支援と移住施策─「住みたい田舎1 位」大分県豊後高田市の取り組み
 柴田 建

移住促進を視野に入れた子育て環境の整備─杜を発掘する,「男木島,未来の教育プロジェクト」
 安部 良

【編集後記】
 佐藤 雄紀


官民連携による公共空間の利活用を通じたウォーカブルなまちづくり

大阪のウォーカブルな取り組み
 嘉名 光市


書籍探訪・寄贈図書レビュー|企画調査委員会


わたしとあの街

バッファロー(アメリカ・ニューヨーク州)
 山田 育穂


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